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【片恋で5のお題】・5、貴方が、ただ一人のものであったのなら  です。
使ったのは九龍妖魔學園紀神鳳→九龍

微妙に裏っぽいので続きの方に。


お題はこちら






5、貴方が、ただ一人のものであったのなら  神鳳→九龍


 貴方が、ただ一人のものであったのなら
 私は貴方を諦める事ができたのでしょうか
 貴方を想い、涙を零す事も無く
 貴方の無事を祈って、胸を痛めることもなかったのでしょうか
 貴方が、ただ一人のものであったのならば
 貴方が……


「今日も、地下へ?」
「ええ、でも今日は少し早めに切り上げてきたんですよ」

 彼は微笑む。括っていた髪をほどいて、僕の部屋の洗面所に向かいコンタクトを外して。遺跡の埃に塗れた顔を洗って、僕の方を向く。生徒会の資料を纏めていて彼の方を振り向きもしない僕を、穴が開くほどに強く、見つめる。強い視線に耐え切れなくて、僕が溜息をついて顔を上げると眼鏡をかけた彼の顔が見えた。

「何か、御用ですか?」
「用が無くては来てはいけませんか?」

 返事は耳元で聞こえた。僕を抱き締める彼の腕は強くて。楽しげに笑う彼の吐息がくすぐったい。身を捩ろうとすれば彼の顔が目の前に。離れる間もなく唇を奪われる。

「く、ろうさ……」
「貴方に会いたくて、早く帰って来たんです。喜んではくれませんか?」
「……ありがとうございます」
「そう言ってくれると思っていました」

 いつの間にか、僕を見る目に欲の色が見えて。あるいは初めからそうだったのかもしれないと思いつつ、口付けを受け入れる。

 愛している、と。彼は言う。僕を抱いて、囁く。傷だらけの両腕に閉じ込められて。けれどそれを、そのままに信じられるほどに誠実なひとではないのはわかっていて。僕のところに来ないときにその両腕に誰を抱いているのかも、わかりすぎるほどにわかっていて。それでも、彼を突き放せない。彼の温もりから離れられない。

「んっ……」
「神鳳君……」

 かれのうでにいだかれて。

 甘い声を上げる僕。いっそみっともないほどに縋りついてしまえばなどと、できもしないことを思いながら。僕にできるのは、現状維持しかなくて。止まるはずのない時間が止まる事を祈って、過ぎ去る季節に怯えて。そうして、全てが終わったら。何も無い顔をして、去って行く彼を見送るのだ。
 今は、ただ。時折僕のところへ羽を休めに来る、自由な鳥を愛でる日々を。早くに去ってしまわないように、穏やかに。今の幸せを受け入れるだけ……


―――――――――――――――


九龍妖魔學園紀。
何故か神鳳受けに。と言うか、うちの九龍攻めはかなり珍しいです。一応リバな人だけど。





(天秤の向こう側を想像なんてしない)
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